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2013年3月28日木曜日

『拝啓関西電力様』 ブログ「「バイバイ原発・京都」より



『拝啓関西電力様』

     青田 恵子



エアコン止めで、耳の穴かっぽじって

よーぐ聞け。

福島には、「までい」っつう言葉があんだ。

までいっつうのは、ていねいで大事にする

大切にするっちゅう意昧があんだ。

そりゃあ、おらどこ東北のくらしは厳しかった。

米もあんまし穫んにぇがったし、

べこを飼い

おかいこ様を飼い

炭を焼き

自然のめぐみで、までいにまでいに今まで

暮らしてきた。

原発は いちどに何もかもを

奪っちまった。



原発さえなかったらと

壁さ チョークで遺書を残―して

べこ飼いは首を吊って死んだ。

一時帰宅者は、

水仙の花咲く自宅の庭で

自分さ火つけて死んだ。

放射能でひとりも死んでないだと……

この うそこきやろう 人殺し

原発は 田んぼも畑も海も

人の住む所も

ぜーんぶ(全部)かっぱらったんだ。

この 盗っ人 ドロボー

原発を止めれば

電気料金を二倍にするだと………

この 欲たかりの欲深ども

ヒットラー毒ガスで人を殺した

原発放射能で人を殺す

おめえらのやっていることは

ヒットラーと なんもかわんねぇ。

ヒットラー自殺した



おめえらは誰ひとり

責任とって 詫びて死んだ者はない

んだけんちょもな、おめえらのような

人間につける薬がひとつだけあんだ。

福島には人が住まんにゃくなった家が

なんぼでもたんとある

そこをタダで貸してやっからよ

オッカアと子と孫つれて

住んでみだらよがっぺ

放射能をたっぷり浴びた牛は

そこらじゅう ウロウロいるし

セシウムで太った魚は

腹くっちくなるほど 太平洋さいる

いんのめぇには、梨もりんごも柿も取り放題だ。

ごんのさらえば

飯も炊けるし、風呂も沸く

マスクなんと うっつぁしくて かからしくて

するもんでねえ

そうして一年もしたら

少しは薬が効いてくっかもしんにぇな



ほしたら フクシマの子供らとおんなじく

鼻血が どどうっと出て

のどさ グリグリできっかもしんにぇな

ほうれ 言った通りだべよ

おめえらの言った 安全で安心な所だ。

 さあ、急げ!

荷物まどめて、フクシマさ引っ越しだ

これが おめえらさつける

たったひとつの薬かもしんにぇな。



【註】相馬弁の解説

①んだげんちょも…だけれども

②腹くっちく…腹いっぱい

③いんのめえ…家の前

④ごんの…焚き物にする小枝や落ち葉

⑤うっつぁし…うっとうしい

⑥かからし…わずらわしい












つながろう、つなげよう! 脱原発を願う個人・団体のネットワーク 「バイバイ原発・京都」より転載

「拝啓関西電力様・・・・詩をご紹介します
12月15日、滋賀県大津市滋賀県の10団体が協賛する「願いはひとつ 原発のない社会へ」という南相馬市からの避難者と中嶌哲演さんの講演と意見交流を中心にした集会が開催されました。 
その集会で、講演者の青田さんの奥さんが朗読した詩がとっても素晴らしかったので、ご本人の了解を得てご紹介させていただきます。こんなものが役に立つなら、どんどん広めてくださいとのことです。相馬弁は味があんだ~。」

ぜひ、一読して下さい。

2013年3月26日火曜日

おかあさんって よんでみた


                               


おかあさん って よんでみた
はあい って へんじ きた
なんでもない ただ
こえが ききたかっただけ



おかあさん って よんでみた
なあに って へんじ きた
なんでもない ただ 
よんで みただけ



おかあさん って 呼んでみた
どしたん って へんじ きた
あのね わたしね
おかあさんの 
こどもでよかったよ



うんでくれて 
ありがとう




  関 久雄 201321

2013年3月25日月曜日

「たたり神」

たたり神が生まれた時代なんだね。今の時代。

「たたり神」


 3月11・12日の「福島スタデイツアー」に参加された兵庫の後藤由美子さんが、小国の除染現場を見て衝撃を受けメールを下さいました。
 
 「草、花、土、虫やミミズ、種や微生物など、暮らしの中の親しいものたちが青い袋につめ込まれ、ものすごい放射能を浴び、真っ黒な巨大な異様な物質になって増殖していく。あれは日本中の、いや世界中の人々が見なければならないもの」と書いてありました。
 その言葉に感じるものがあり詩にしてみました。

「たたり 神」
                                2013年3月19日


  
おばあちゃん あれは なあに

あれは ゲンパツの お墓
青い 袋の中には
草や花や土や ミミズが 虫が ビセイブツが
ホウシャノウと 一緒に閉じ込められ
とてつもない ホウシャセンを あびながら
袋の中で うめいている

ほら 声が 聞こえるだろ 
痛いよ 痛いよ  苦しいよ 苦しいよ
あのものたちは わたしたち
袋の中から 出されない

ごらん 黒いゴムで覆って
回りを 鉄の板で囲ってなぞしているが
なあに いずれ あのものたちは 
袋を食い破って 外に出て
たたり神となって 動き出すさ

風になって 雨になって 
けものになって 草になって
米になって 魚になって 
生き物の中に 忍び込む

おばあちゃん たたり神は なくならないの

あれは にんげんが こさえたものだからね
お前は 遠くに行きなさい
見たこと 起きたことを伝えなさい
わたしは ここで たたり神を まつろう


そして 考えなさい
なぜ たたり神が 生まれるのかを

写真: 「たたり神」

 3月11・12日の「福島スタデイツアー」に参加された兵庫の後藤由美子さんが、小国の除染現場を見て衝撃を受けメールを下さいました。
 
 「草、花、土、虫やミミズ、種や微生物など、暮らしの中の親しいものたちが青い袋につめ込まれ、ものすごい放射能を浴び、真っ黒な巨大な異様な物質になって増殖していく。あれは日本中の、いや世界中の人々が見なければならないもの」と書いてありました。
 その言葉に感じるものがあり詩にしてみました。


「たたり 神」
                                2013年3月19日

  
おばあちゃん あれは なあに

あれは ゲンパツの お墓
青い 袋の中には
草や花や土や ミミズが 虫が ビセイブツが
ホウシャノウと 一緒に閉じ込められ
とてつもない ホウシャセンを あびながら
袋の中で うめいている

ほら 声が 聞こえるだろ 
痛いよ 痛いよ  苦しいよ 苦しいよ
あのものたちは わたしたち
袋の中から 出されない

ごらん 黒いゴムで覆って
回りを 鉄の板で囲ってなぞしているが
なあに いずれ あのものたちは 
袋を食い破って 外に出て
たたり神となって 動き出すさ

風になって 雨になって 
けものになって 草になって
米になって 魚になって 
生き物の中に 忍び込む

おばあちゃん たたり神は なくならないの

あれは にんげんが こさえたものだからね
お前は 遠くに行きなさい
見たこと 起きたことを伝えなさい
わたしは ここで たたり神を まつろう


そして 考えなさい
なぜ たたり神が 生まれるのかを
関 久雄

2013年3月23日土曜日

Jotaro Wakamatsu


"Placing TEPCO's Fukushima nuclear power plant at the center/
 
Will cover Futaba, Okuma, Tomioka/
 
Naraha, Namie, Hirono/
 
Kawauchi, Miyakoji, Katsurao/
 
Odaka, northern Iwaki/
 
As well as Haramachi where I live/
 
That area also has a total population of about 150,000 residents.
(partial omission)
 
"We also may be spirited away from today/
 
I feel as though I can hear the voices of children behind me/
 
But, when I turn around there is no one there/
 
Something sends shivers up my back/
 
I stand alone in a square."




Jotaro Wakamatsu (Photo by Tetsuya Kasai)

Jotaro Wakamatsu (Photo by Tetsuya Kasai)


 
Fukushima poet who foretold of nuclear disaster wants justice
 http://ajw.asahi.com/article/0311disaster/fukushima/AJ201205200038

2013年3月2日土曜日

「なじょすべ」   


 
なじょすべ        


わたしね 病気 治すために
ムノウヤク野菜を 何十年も 食べてきた
福島で 野菜 こさえるごども
そこさ 居る ごども 
やっては なんねえと 思うのさ
だから カンパ 送らなかった
まごどに 気の毒 だったども 
と エミさんの 言う

測定所 立ち上げた
この 小松菜は 不検出
よかったら 買ってくなんしょ
それでも お客さん 3分の一
と タモツさんの 言う

下の 田んぼ 川の水が上がっから
1万ベクレル あるんだよ
阿武隈川の 青い 流れを見ながら
スギウチさんの 言う

ペットボトルの水道水 福島市が 売り出した
すると 世間はこう 言うんだ
カルト そのもの もう犯罪
ストロンチウムは 測ったの
プルトニウムは 出てないの
フクシマ県を 閉鎖しろ

なじょ すべなあ 

おめさん方よ
確かに オレも食わねえし
飲んでくれとも 言わねえが
悩む こころに 沿うてくれ
オレたちに 欲しいのは 
痛みを 分かつ こころだよ



 
 二本松の関です。福島に残っている人達への思いを詩にしましたが、書ききれません。言えることは、 原発から遠い生き方をしてきた人たちが、ひどい目にあっているということです。分かちあって欲しいのは辛さや悲しみ、痛みです。持てるものを分けることだ けが「分かつ」ことではないのです。
 
 

2013年2月10日日曜日

ワタシハ ハル モニタリング ポスト ホウシャノウ ヲ ハカッテマス



 里山がっこうの関です。(二本松市在)
 
 福島駅前のモニタリングポストが壊されたことをメールで書かれていました。私自身、今の 福島の状況を現している出来事だと思って自分のフェィスブックに投稿しました。すると反応がとても大きかったのです。悲しい、怒る先が違う、今の福島の現 状そのものなどなど、いわきでの落書きや自動車の壊しなどを含めても「衝撃」と受け止められています。
 このできごとには多くのサインが込められているように思います。これを見落としてはいけないでしょ う。先日のNHKの佐渡の保養の放送のカットのように、本質的なことをごまかして過ごしてしまおうということの現われと、それに対するぐちゃぐちゃな思い が破壊行為につながっているのでしょうか。ある方がFBのコメントに、「原発さえなかったら・・・」と書かれていました。いまの、福島県の心情です。そん なことを思ってモニタリングポストを題材に詩を書きました。良かったらお読みください。
 
 
 
 
 
 
「ワタシハ ハル」
 
ワタシハ ハル
モニタリング ポスト
ホウシャノウ ヲ ハカッテマス
 
ワタシヲ ミテ
「高い」トカ 「低い」トカ 「本当か」ト イワレマス
ワタシハ セッテイサレタ プログラムノ トオリ
ウゴイテイマス
 
ワタシノ ナマエハ ハル
モニタリング ポスト
 
ヨナカニ ワタシノ カラダニ ショウゲキガ アッテ
ワタシハ コワレマシタ
マモナク ウゴケナク ナリマス
 
ワタシハ ハル
コワレタ カラダヲ ミテ
「かわいそう」ト イワレマシタ
ニンゲンノ コドモ デス
 
ワタシハ ハル
マモナク キノウ シナクナリマス
 
ワタシハ ハル
・・・・
 
 

2013年1月30日水曜日

「みんな 生きなければならない」 関 久雄 1/29/2013 投稿

 

                                


死の 灰は

あなたにも わたしにも 

等しく 降る 


大切な人の 肺の中 きらいな人の髪の毛に

そっと 死の灰は 入り込む


お父さんが 小さい頃

放射能は 死の灰って 呼ばれてた

雨にぬれたら ハゲになるって 言われてた

死の においのする 放射能


これは 昔話 じゃないんだよ

ベラルーシの 病院に横たわる

青白い 子どもたちのすがたは

28年後の フクシマの未来 

それを お前の未来にしたくはない


死の灰は

1ミリシーベルトを 恐れる人の子どもにも

20ミリシーベルトを 気にせぬ人の子どもにも

等しく  降る  降る  降る


ああ  そったに 原発 ほしいなら

おめさんの 街さ 建てたらいいべしさ

東京さ こせえたら いいべしさ

わざわざ アオモリの原発から 

電気 運ぶごど ねえべしさ


原発事故の ありがたさは

誰もが ヒバクすることを 

愛しい いのちの あることを

みんなに おしえてくれたこと




だれもが 気づかなければ ならない




みんな 生きなければ ならない
 
関 久雄    2013.1.29