たたり神が生まれた時代なんだね。今の時代。
「たたり神」
「たたり 神」
2013年3月19日
3月11・12日の「福島スタデイツアー」に参加された兵庫の後藤由美子さんが、小国の除染現場を見て衝撃を受けメールを下さいました。
「草、花、土、虫やミミズ、種や微生物など、暮らしの中の親しいものたちが青い袋につめ込まれ、ものすごい放射能を浴び、真っ黒な巨大な異様な物質になって増殖していく。あれは日本中の、いや世界中の人々が見なければならないもの」と書いてありました。
その言葉に感じるものがあり詩にしてみました。
「たたり 神」
2013年3月19日
おばあちゃん あれは なあに
あれは ゲンパツの お墓
青い 袋の中には
草や花や土や ミミズが 虫が ビセイブツが
ホウシャノウと 一緒に閉じ込められ
とてつもない ホウシャセンを あびながら
袋の中で うめいている
ほら 声が 聞こえるだろ
痛いよ 痛いよ 苦しいよ 苦しいよ
あのものたちは わたしたち
袋の中から 出されない
ごらん 黒いゴムで覆って
回りを 鉄の板で囲ってなぞしているが
なあに いずれ あのものたちは
袋を食い破って 外に出て
たたり神となって 動き出すさ
風になって 雨になって
けものになって 草になって
米になって 魚になって
生き物の中に 忍び込む
おばあちゃん たたり神は なくならないの
あれは にんげんが こさえたものだからね
お前は 遠くに行きなさい
見たこと 起きたことを伝えなさい
わたしは ここで たたり神を まつろう
そして 考えなさい
なぜ たたり神が 生まれるのかを
関 久雄
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